EU拡大の流れの中、東欧の勢いは凄まじい。その社会的動向に
影響してか、昨今の東欧原産の音楽には目を見張るものがある。
東西交通陸路の要所として、欧州、イスラム圏、アジアが融合した
独特の文化の上に築かれた音楽は元来素晴らしいものだった。が
最近の民主化・EU参加の流れによって、よくあることだがここでも
伝統音楽と西洋音楽の融合が熱心に行われるようになっている。
ベシュ・オ・ドロムもそんな新世代東欧音楽の代表といえる存在。
東欧の主にロマ(ジプシー)音楽をベースに、ロックやジャズ、更に
ファンクやヒップホップ、テクノまで貪欲に取り入れた比類のない
ミクス・カルチャー・ミュージックの一角を担うアーティストである。
正にグローバライゼーションの良き典型ともいえる集団なのだが、
このバンドにおいては、取り入れる他の音楽ばかりに目がいって
自身を失うということがない。基本のロマ(ジプシー)音楽のライン
は全く崩さずに、それでいて多様な演奏活動を続けてきている。
2000年発表のデビュー作「マチョーの刺繍」でハンガリー国内
プラチナディスクを獲得し、衝撃のデビューをしてから今に至る迄
一貫してそのスタンスは変わってきていないのである。
本作は2003年発表のセカンドアルバム「キャント・メイク・ミー」に
続く3作目のアルバムで、創設者のサックス奏者ゲルゲー以下の
8人のメンバーとゲスト奏者により、エスニックかつエキゾチックな
音楽世界が作られていく。注目すべきは4曲目「レ・トイ」と8曲目
でのモニカ・ミツーラのヴォイスだろう。窒素でも吸ったかのような
不思議な声はそうでなくてもエキゾチックな音楽に彩りを添える。
ワールドミュージックファンのみならず是非聴いていただきたい。
| 1.UJCSOCSEK (ニュー・ダンス) 2.TORTAPAPIR (紙のお菓子) 3.MAKEDON (マケドン) 4.LEI TOI (レ・トイ) 5.FIDOI (フィードー) |
6.MEGGYUJTOM A PIPAM (パイプ) 7.KAVALOS (一皿のカバー) 8.LAKE JAKHA (ラケ・イヤカ) 9.MANIAS DEPRESSZIO (変質的絶望) 10.UGY ELMENNEK (遠くに行きたい) |
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